2021-01-01から1年間の記事一覧
下の1~3の音声ファイルは、日本語の言葉の前後をひっくり返したものである。この音声ファイルを聴いて、ひっくり返す前の言葉がわかるだろうか? 1. 2. 3. 下の1'~3'の音声ファイルはそれぞれ前後をひっくり返す前の音声で、1~3に対応している。 1' 2'. 3…
吃音の原因として、遺伝、脳の機能不全、緊張、恐怖心、ストレスなどが未整理なままにあげられることがある。心因性吃音という分類もあるから、その原因は心因にあると断定されているのだろう。 しかし吃音の原因はまだわかっていない。だから、原因について…
昔、私は伸発になることはなかった。しかしいつからか無声摩擦音のサ行音やハ行音で伸発が起きるようになった。 典型例では、スーパーのレジで「さいふ」/saihu/といおうとしたら、/s/が長く伸びてしまい、はっと気がついて一旦話す行為を中断したことがある…
吃音は発話運動の流暢性のある種の失敗をきっかけに2次的に起きるもの、と私は推測している。 従って、吃音が起きないようにするにはたんに発話運動の流暢性に失敗しなければよい、と考えている。 流暢性に失敗しやすい何らかの素因はあるかも知れないから、…
私はアマゾン・プライムの会員なので、一部の映画やテレビ映画を無料で観ることができる。たった今、「英国王のスピーチ」(字幕版)を観て、ちょっと涙ぐんでいる。原題は「The King's Speech」。ここで英国王とはジョージ6世のことだ。即位する前はヨーク…
GIGAZINEニュース(2021.10.14)で、上記の研究結果が出たことが報じられた。https://gigazine.net/news/20211011-adults-stutter-stop-private-speech/ science alertというサイトでは原文が紹介されている。https://www.sciencealert.com/study-shows-adul…
私は吃音の原因や仕組みに関心があるが、実は吃音の治療にあまり関心がない。吃音の原因や仕組みがわかれば、吃音の治療法も徐々に明らかになっていくと思うが、それはまだ先の話しだと思っている。それに私は吃音が完治していない。若い頃に比べると吃音が…
吃る子をバカにした先生 中学生の頃、私のクラスに誰とも話さない子がいた。仮に名前をT君とする。T君は誰からも相手にされず、孤立していた。身なりはかなりみすぼらしかった。相当に貧しい家庭の子のように思われた。風貌は少し知的障害があるように見えた…
汎化とは Weblio辞書によると、般化/汎化とは、“心理学で、一定の条件反射が形成されると、最初の条件刺激と類似の刺激によっても同じ反応が生じる現象(刺激般化)。これに対して、同一の刺激がさまざまな反応を引き起こすときを反応般化という”https://www…
発話運動がなめらかに進むのは調音結合があるからである。調音結合に失敗すると今の音から次の音へなめらかに進みづらくなる。一方、私の考え方では、吃音は発話運動のある部分から次の部分へ進めなくなる発話障害である。調音結合と吃音の関係についてちょ…
吃音は話そう・話すまいの葛藤によって発生するという説がある。とくに難発に関しては、以前の私はこの葛藤説をはっきり否定できなかった。ただ、難発は伸発が発話の構えの段階に遡及したようなものではないかと考えていたから、どちらかというと葛藤説を支…
吃音には声がでなくなる難発という症状がある。この難発の状態はブロックと呼ばれている。blockという英語には、名詞では硬い塊、動詞では阻止する、塞ぐという意味がある。ブロックには硬い塊で流れを塞ぐというニュアンスがあるように思う。 吃音にブロッ…
最初に、正常な発音/ta/の生成過程を考えてみる。その生成過程は大まかには次の3つからなると思う。 ①まず、呼気圧を少し加えつつ、声道を閉鎖する。つまり、舌端を歯茎につけて呼気の流れを阻止する。この時、口蓋帆をもち上げ、呼気が鼻腔に抜けることをも…
吃音には、音を繰り返す連発、音を引き伸ばす伸発、音を発することができない難発という3つのタイプがある。いずれも現在の運動部分が継続し、次の運動部分へ移っていくことができないという共通性がある。これは私の解釈であり、難発については異論があるか…
3.素人も文献を調べることができる 素人が吃音研究にかかわることには制約があると思う。しかし素人でも専門家が研究した成果である文献を検索し、読むことができる。 もう30年以上前だが、私は国会図書館に通い、多くの論文や研究報告をコピーしたことが…
2.素人も疑問を提起することはできる 子供はやたらに質問することがあるが、時には鋭い質問をする。同様に、素人も疑問を提起することはできるし、時には鋭い質問をすることがあるかも知れない。 生徒がよい質問をすると、先生はよい質問だとほめる。どう…
1.自分の吃音を観察できるということ (つづき) 吃音は心因で説明されることが多いが、私はあわてていなくても、また緊張していなくても吃る。また緊張していても吃らないこともある。私は自分の体験によって緊張やあわてることは吃音の必要条件ではない…
現在、吃音の原因・仕組み (機序) は明らかになっていない。それにはそれ相応のもっともな理由があると思う。吃音はとらえどころのない特徴があり、科学の俎上に乗せにくい。一方、研究する側にも戦略上の失敗があるかも知れない。たとえば、吃音を引き起こ…
吃音の原因や仕組みはまだわかっていない。科学が進んだ現代においてなお謎のままである。それにはそれ相応の理由があると思う。ひとつは言語活動は動物実験では解明できない。今の医学の進歩は動物実験に負うところが大きい。もうひとつは吃音特有の問題だ…
私が吃音を自覚したのは小学2年の頃。比較的近いところに同年齢の子が住んでいた。その子と同級生ではなかったが、急に親しくなり、一緒に歩きながら話していた時のことだった。私は確か無声破裂音で急に激しく連発した。友だちは笑い、私も笑った。これは…
私はこのブログで吃音について考えていきたい。吃音とは直接関係のないことでも、吃音を考えるさいに興味をもったことについては、備忘録的に記していきたい。 私は3歳頃に吃音を発症し、それなりに苦労してきた。今は高齢者で、比較的平穏に暮らしている。…